オーバーホールの是非

荷物の最大積載重量と定員一杯の重量に合わせた高めのバネレートを採用しているバンやミニバンなどを、空荷の状態で運転すると車体が落ち着きません。ガソリンを満タンにした状態とガス欠寸前では重量が変化するため、やはり突き上げ感が大きくなります。車に興味がなく無事に移動できれば問題ないとお考えの方にとっては、どうでもいいことなのです。
自分の足でペダルを漕ぐ。そのためか、自身の体力が全てであり、使用機材には無頓着な方が多いような気がします。
注意を払っていなければ、オーバーホール前後の違いに気がつかなくても無理はありません。
プロでなければ、それでも構わないと存じます。

一年使用すると必ずサスペンションに使用されているオイルは熱によって酸化します。
酸化したオイルは弾力がなくなり流動性が上がります。いわゆる「腰の抜けた」状態です。
同じサグ、同じ減衰の設定にしても、コンプレッションもリバウンドも効きにくいため、ストロークし易くなってしまうのはご理解頂けると思います。一つのギャップでストロークする量が増えます。
オーバーホール前に常設のコースで、変速をせず同じギアで、任意に設定した一定のケイデンスでタイムを計測します。
オーバーホール後に同じコースを同じ条件で走行すれば、オーバーホールの効果を体感ではなくタイム差という数値で知ることができます。
オイルの劣化による動きやすさと、スームスに動くこととは違うわけです。適切な減衰で適切なストローク量でベストタイムが生まれます。

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