こちらはウケが悪いようですが、今日はリバウンド。

エアボリュ―ムスペーサーについては別の機会にご説明いたします。
この項の主目的は、実際に減衰の変化を体感することにあります。
次はフロントフォークのリバウンドを体感しましょう。マニュアルの推奨値が限りなくベストに近い設定ですが、今回はまずリバウンドノブとコンプレッションダイアルを左回りで一杯に緩めておきます。
GRIP 2の方はリバウンドとコンプレッションの両方、HI-LO共に左回り一杯に緩めておいてください。
昨日と同じようにゆっくり走りながら、前ブレーキをかけます。速く沈み、速く元の位置に戻ることを体感してください。急激な荷重移動は感じられましたか?体が前後に持っていかれる感覚です。
次はリバウンドだけを右回りで一杯までに締め込みます。同じようにゆっくりと走行、ブレーキをかけます。沈み込みは、不思議なことにややゆっくりになって、戻りはかなり時間をかけて元の位置に戻ってきたはずです。沈み込みがゆっくりとなったのは低速側のリバウンドをかけたための副作用です。低速側のリバウンドはオイル通路を狭くすることによって発生させています。インナーチューブが伸びる時だけではなく、圧縮される際も、この通路をオイルが流れるため、低速側コンプレッションが発生する副作用を感じることになります。少し荒れた路面なら、フォークが沈み、戻ろうとする際に衝撃を受けると、コンプレッションは全開にも関わらずストロークせず、突き上げられる、ハンドルを握る手に衝撃を感じるはずです。これがリバウンドの設定が強過ぎるために発生する突き上げです。以前、お話した過剰なリバウンド設定は百害あって一利なし、むしろ最弱の設定の方がまだいいとお話した根拠です。突き上げ感が強く感じられるのは、遅過ぎるリバウンド設定のため、荷重が前に残ったままになっているからなのです。
減衰を全て推奨値に戻して、同じように走行、ブレーキをかけてみてください。乗りやすくありませんか?
これが正しい設定による適正化された荷重移動スピードが生む、使いやすさです。
リアサスのついているバイクは推奨設定値のままでお試しください。