今日の作業から

今日の作業から。
9mmスルーシャフトのリアサスペンションユニット。
以前にもお話しましたが、このユニットには窒素が充填されていません。
エアバルブから充填された空気がアイレットに設けられた『タンク』に充填される仕組みです。
スルーシャフトはタンパーシャフトがダンパー内に入ってくることで、その体積分内圧が高くなることを避けるための設計がなされています。エア抜きを完全に行ってしまうとオイルが全く動くことができなくなるため、ストロークしなくなります。動き出しの際のオイルの逃げを圧力変化によって確保するための『タンク』なのです。そのためエアスリーブ内に加圧されていない、もしくは低圧でストロークさせるとエア噛みを起こします。

昨年までのF-1のサスペンション(今年レギュレーションが変更されています。)は、とてつもなく複雑な構造になっていました。もともとMTBとは異なり、衝撃を吸収することを目的としたものではないため、サスペンションの動きに反応し、フライホイールでエネルギーを吸収、タイヤにかかる荷重の上限を抑えるイナーターなんて装置までついていました。
一昔前、急激にサスペンションが変化していくきっかけの一翼を担ったのが、赤い車のフロントサスペンションに採用されたスルーシャフトのダンパーだったのです。
極初期から、減衰を正確に効率よく発生させながらスムースに動くことができる特性を持っています。
またこのリアクティブサスペンションの青いレバーは通常のユニットとは異なり、スプリングを直接的に圧縮する役割を担っているため、操作感が重くなっています。

さてこの個体、乗車時、短パンの裾を青いレバーに引っ掛けたようで、リバウンドダイヤルとカムが抜けてこないようにしているストッパーボルトが大きく曲がっていました。通常このボルトは1.5mmの六角レンチで回すのですが、これだけ曲がっていると干渉するため、ネジ穴がつぶれ全く緩めることができなくなります。またそのままでは曲がったままのボルトはココと書いてある固定用の小さな穴を通ることは至難の技。この程度のトラブルは結構頻繁にありますが何とかしちゃってます。曲がったネジ以外の部品交換はしていません。潰れたネジを外すだけの作業、他所の業界ならそれだけで数千円頂けるのですが…。

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