減衰、体感してみましょう
ハイ・スピード・リバウンド(HSR)とロー・スピード・リバウンド(LSR)、ハイ・スピード・コンプレッション(HSC)とロー・スピード・コンプレッション(LSC)の役割分担されている製品をお持ちの方、実際にその仕組みを体感してみましょう。
マニュアルに頼らず感覚でセッティングするため、ハンドルを勢いよく下方に押してフロントフォークをストロークさせたり、サドルに載せたお尻を使ってリアサスペンションを押し込んだりしても体感することはできません。これらの動きによるストロークは速過ぎるためハイ側が既に作動しています。通常、皆さんが行っているサスペンション・チェックの方法では正確なロー側の設定を確認することができないのです。
以前にもお話いたしましたが、ハイ側はロー側によって設定された量を超えるオイルが移動を始める瞬間まで機能しています。減衰はストロークするスピードをコントロールするための機能です。通常のチェック方法ではハイ側の機能確認をしていることになります。
どうすればロー側を確認することができるのか?
少しのストローク量で構いません。ゆっくりと優しく押し込んでみて下さい。勢いよく押した際の抵抗よりもかなり抵抗があり、ゆっくりと戻ってくることを体感できると思います。
圧縮する際の抵抗は、あなたが設定しているロー側のコンプレッション設定。同じく戻る際の動きがロー側のリバウンド設定なのです。ハイ側は押し込むスピードを変化させたり、徐々に加速させながらストロークさせたりすると体感できるはずです。
通常の押し込み方によって感覚で設定すると、LSRとLSCが過剰になりがちなことがご理解いただけると思います。減衰をマニュアルにある推奨値で設定して、同じようにゆっくりとストロークさせてみて下さい。特にリバウンド、推奨値でも十分なことが体感できるはずです。
フロントをシャカシャカと連続してストロークさせても設定された状態は確認できません