34の存在意義

32 / 34 / 36 / 38 / 40 
FOXのフロントフォークはインナーチューブのパイプ径でシリーズ展開をしています。
34シリーズがマウンテンバイクという昔からの概念にフィットしているのではないかと考えます。2002年の発売時には大径であった32mmのインナーチューブも今ではXC専用。
32の次に36がリリースされ、その後に34が登場、40と36の間の38が販売されたことにより、カテゴリー分けが進みました。
36は38の登場によってラグジェアリー方向に舵を切りました。アメリカなどではピックアップトラックに積み込んで山に登って、多少の漕ぎやちょっとした登坂を楽しみながら下りてくる用途に36は最適なフォークなのです。従来のモデルと比較するとよくわかるのですが、同じスピード、同じタイムで走っても格段に快適になりました。
38はエンデューロレース仕様、レース専用に近い40のシングルクラウン版。
では34は?自分で登って下りてくるのに最適なフォークなのです。アメリカでも、ひたすら登らなければならないトレイルがあります。ユタ州ソルトレイクシティの郊外(といってもかなりの距離があります。)のモアブにはそんなトレイルが沢山あります。砂漠に近い環境にある山の頂上付近は草も生えないような岩山。人工音が全く聞こえないため、自分の耳たぶに当たる風の音だけが聞こえる世界。声を出しても全く反射音が聞こえないため、自分の声が空気に吸い込まれるような感覚になります。そんなところへのアプローチに最適なフォークが軽量に作られたミドルレンジのストローク量をカバーする34なのです。日本ではアプローチを含めた山遊びに最適なフォークと言うことができます。36よりもストイック、32よりも下りを楽しむレベルことのできるミドルストロークの製品が34になります。

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