フロントサスペンション、ハンドル幅、ステム長

これらは密接な関係があります。
最適なハンドルバーの幅は個人差があります。自転車の推進力は人力ですから体を効率良く使うことができる環境を整えることを第一に考えなければなりません。
登坂時にはハンドルを引きますし、下りではバイクを抑え込みます。状況やご自身の得手、不得手に合わせた長さを見つけることが肝心です。筋肉の動きを考慮すれば、ハンドル幅は肩幅よりも長めになります。大柄な方と小柄な方とでは最適な幅が異なってきます。
フロントサスペンションはヘッドセットによってフレームのヘッドチューブに取り付けられています。外乱による影響はヘッドチューブの中心から左右方向に弧を描くように伝えられます。中心からオフセットさせることによって抑え込む力を少なくする役目もステムは担っています。長いステムは外乱を抑え込む場合に有利に働きます。
ステムに取り付けられたハンドルはその幅によって、やはり抑え込みに必要な力を軽減しています。悪路での走行限界はサスペンションの性能によって左右されます。そのためリジットフォークではステムの長さが重要になってきますが、走行限界が低いため極端に長くなることはありません。
サスペンションの進化によって、ライダーに伝えられる外乱が緩和されてきているため、ステムが短くなりました。ライダーがハンドルに覆いかぶさるようなポジションをとる必要がなくなり、ステムが短くなった分、ハンドル幅を広くすることが可能になったのです。長いステムの時には腕の長さの関係で最適なハンドル幅を選択することができなかった反動で幅が極端に広くなっていきました。29インチが主流となりステムの地上高が上がった関係で抑え込みやすいようにハンドルのライズも控えめになりました。
ハンドルを握る位置を一番力の入れやすい内側に変えてみて下さい。(レバーやシフターの位置を変える必要が出てきますが、レバー位置の固定は操作する際に動かない最低のトルクで締め付けて下さい。)ライディングポジションが変わり、前後サスペンションのサグや設定も変化するはずです。力の入れやすい位置でハンドルを軽く握るだけで外乱に対しての対応が改善されるはずです。ハンドルを切断するとバイクの持つ非現実的で絶対的な速度限界は低下しますが、あなた自身の限界を更新することができます。
最近はハンドルを切断しない方が多いと耳にしましたので、敢えて文章化いたしました。

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