FOXの3つのモードはOpen-Medium-Firm

久しぶりに、お問い合わせを頂きましたので。
FOXの3つのモードはOpen-Medium-Firm。
低速側のコンプレッションの回路を流れるオイルの流量を制限することによってストロークの際の硬さを変えています。FOXはフロントもリアも、かっちりとしたロックアウトはしません。静止した状態でブレーキをかけた状態でハンドルを握り、上半身で覆いかぶさって腕の力を使ってストロークさせようとすれば、あっけなくストロークします。
『ロックアウト』とよばれる機能は基本的にダンパー内のオイルの流れを止めることによって実現しています。物理的に入口と出口を塞ぐ必要があります。入口を塞ぐのが『ロックアウト』であるとお考え下さい。Openモードでのコンプレッション調整をする黒いアジャスターも入口の大きさを変えているだけ。青いレバーやプーリーを操作するのも、同じく入口の隙間を変えているだけなのです。単純な構造だけに『ロックアウト』を生み出すパーツは壊れることはありません。『ロックアウト』しない場合。その原因はダンパーがエア噛みしているか、出口が開いてしまっている状態の二通りが考えられます。エア噛みをしていると初期に無抵抗でストローク領域が生まれます。出口が開いてしまっているとコンプレッションアジャスターが効かなくなります。ともに減衰の効きが低下します。
わかりやすくお伝えする際にロックアウトという一般的な概念を使って説明することがありますが、あくまでもファーム(硬い)であり、完全に固定されることはありません。
また慣らしが済んだ状態では抵抗が少なくなりますから、『ロックアウト』が弱くなります。またアライメントが正確に設定されると摺動抵抗が少なくなりますから、『ロックアウト』時にストロークし易くなります。
『ロックアウト』した状態で、ハンドルではなく直接フォークのクラウンの両サイドを、両手で押して止まっているのなら異常ではありません。

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