3pos-Adjの設定と構造

今日は中級以上の方が多く使用なさっている3pos-Adjの設定及び構造のお話です。

Open-Medium-Firmの切り替えを瞬時に行うことができるレース用のダンパー。
黒いダイアルはOpenモードのロースピード・コンプレッションを調整できる機能です。
一次側としてオイルの流量制限をすることでストロークスピードを調整しています。わかりやすく記述しているため、誤解なさっている方もいるのではないかと思いますので補足をしておきます。
流量制限されたオイルは、その後積層状態のステンレス製バルブリーフによってオイルの流れるスピードを減速させ、そのエネルギーを消費しています。これはFOX製品、フロントとリアに拘わらず全ての製品で同じような仕事を行っています。

XCの場合
フラットな所で黒いダイアルを調整しながら、シビアにセットアップしていくと最終的にはMediumのポジションと同じ動きをするようになります。黒いダイアルは下りのセクションでのストロークを考慮して設定するようにするのが良いかと存じます。平地ではMediumを使用し、下りではOpenを使用、黒いダイアルを少し柔らかめの設定にして衝撃に対して良く動くようにしておきます。下りでは恐怖ではなく安心感が得られるような設定にしてください。

フリーライドの場合
スピード優先のライダーはフラットな区間だけではなく、下りでもMediumを使用なさっていると思います。Firmを下りで使用することはまずありえないと思います。またそうした使用方法に対して、耐久性の面において常用できる構造ではありません。
ならばOpenモードでの黒いダイアルの設定をMediumよりも硬く設定するのもありだと思います。黒いダイアルを完全に締め込むと、ほぼFirmと同じような動きになります。コースによって使い分けるのが吉。そう、ご自身で使うことのできるMediumよりも柔らかい設定と硬い設定を見つけておくと調整の幅が広がります。

リバウンドも低速側の調整ですが、コンプレッションと同じように流量制限をしたオイルのスピードをバルブリーフによって減速させています。

先日もお話ししましたが、Firmはロックアウトに近い状態のモードではありますが、ロックアウトと異なり、完全にオイルの流れを遮断することはないため、大きく速い入力に対してはストロークするような構造になっています。
*説明を簡素化するためにFirmをロックアウトと呼ぶ場合があります、この点についてはご容赦願いますね。

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