決定回避の法則への対処法

シーナ・アイエンガー(コロンビア大学ビジネススクール教授)の『ジャムの法則』。
何か聞いたことがあると思った方、TEDで聞いたことがあるという方も多いと思います。
スタンフォード大学の大学院生時代にスーパーマーケットで行った実験がもとになっています。少しだけ複雑な実験ですので超乱暴にかいつまんで説明します。(興味を持たれた方、ググれば、簡単に著書が見つかります。)要は6種類試食できるジャムから選択するのか、24種類試食できるジャムの中から選択するのか。という実験。結論をお話すると、選択肢の少ない6種類の方がたくさん売れました。多過ぎる選択は人を不自由にする、決定回避の法則と名付けられています。
リアショックの場合、Hi-Loのリバウンドとコンプレッション、ネガティブエアスプリングのボリュームスペーサー、ポジティブエアスプリングのボリュームスペーサーとご自身の使用状況に合わせるための調整機能が多くなっています。すると作業をすることが面倒になってしまい調整を諦めてしまうのです。これはもったいない。
マニアの方も完成車を選ばれる方が増えました。
メーカーの推奨設定値に合わせてしまえば大丈夫。考える必要はありません。これで性能の80%は引き出すことができます。
最初に推奨設定値に設定したら、設定値を固定したまま乗り続けて下さい。実際に乗ってみて不自由を感じた時、初めて設定を考えるようにしてください。バイクは毎年進化しています。経験は過去のお話。バイクをあなたに合わせるのではなく、あなたがバイクに合わせてください。乗車時間が長くなれば、長くなる程、あなたのバイクの特徴を感じる機会が増えます。曲がりにくいと感じたら、設定を変えるのではなく、あなたの重心位置を前後に動かし、前を潰して回るのか、腰を引いてハンドルに力を入れずに曲がるのか、曲がりやすい方法を体で見つけ出してください。
その後にあなたが感じたバイクの性格の良いところを伸ばし、欠点を補うような設定を微調整で見つけて下さい。一か所だけを変え、直ぐにではなく、しばらく乗り続けることで、その変化を体感することができるはずです。

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