MTBフレーム設計の変遷
昔の自転車設計、力のかかる各部を最短距離の直線で結ぶというのが基本でした。今はCAD(Computer-Aided Design)が主流となり、若干変わってきているようですが、基本から大きく外れることはありません。
前三角を大きくすることで、要所を結ぶチューブのしなりを乗り心地の良さに利用していたため、黎明期のMTBには極端に小さなサイズはありませんでした。サイズを小さくすると剛性は上がるのですが、極端に乗り心地の硬いバイクになってしまうためでした。
材料もスチールからアルミ、チタン、カーボンなどバリエーションが増え、材料の特性を生かすことによって、小さなサイズの乗り心地の良いMTBも製作することができるようになりました。
約20年前にMTBのフルサスペンションバイクが量産され、一般的に販売されるようになりました。「サスペンションが装着されているのなら、リジットで重視されていたタワミを排除したデザインを」こうした考えを持ったデザイナーもいたのですが、まだそこまでの性能をサスペンションユニットは持ち合わせていませんでした。空気圧の調整でスプリングレートを設定でき、軽量で乗り心地の良いエアサスペンションユニットが、ここ数年で初期から更にスムースに機能するようになりました。
最近のフルサスペンションMTB、シートチューブ長が短くなりました。前三角をより小さくすることによってフレームの剛性を上げ、フレームの撓みを排除し、サスペンションユニットの性能を最大限に引き出すことを目的にしています。
リアバックに関しては各メーカー、それぞれの哲学などに基づいて設計されています。
ハードテイルの場合、
・スタンドオーバーハイトを下げたい。
・長めのストロークのサスペンションフォークを入れたい。
・ハンドル高を下げたい。
となれば、必然的にヘッドアングルを寝かす方向になります。
また後三角はサスペンションがないため、少しでも縦方向に大きめにしたいという設計になります。
こうした中で全ての要求を満足させようとすれば、必然的に理想的なハードテイルの設計はXCOバイクに近づいていくことになります。29インチのリアならば、直径が26インチよりも大きくなりますから、リアセンターに短ければ良いというような昔の数値を使うことはできません。チェーンテンションに耐えることのできるチェーンスティ、横方向に撓まないシートステイ。結論からお話しすると、フリーライド系ハードテイルに関してはフレームに撓みを期待していません。そうタイヤサイズ(幅)を上げることでタイヤの変形を乗り心地やグリップ向上につなげるのです。
左右のシートステイをシートチューブ直前でまとめモノステイにする芸術的な仕上げは機能とスペースの問題から困難になってきています。
ここまで読んでいただければ、CHRONO DCは自力で上ることを楽しみ、下りも安全を確保した上で満喫することができる欲張りなジオメトリであることは、ご理解頂けるのではないかと存じます。
写真はCHRONO DC R 希望小売価格 380,600円(税込)
エントリーモデル
CHRONO DC 希望小売価格 331,100円(税込)
前三角を大きくすることで、要所を結ぶチューブのしなりを乗り心地の良さに利用していたため、黎明期のMTBには極端に小さなサイズはありませんでした。サイズを小さくすると剛性は上がるのですが、極端に乗り心地の硬いバイクになってしまうためでした。
材料もスチールからアルミ、チタン、カーボンなどバリエーションが増え、材料の特性を生かすことによって、小さなサイズの乗り心地の良いMTBも製作することができるようになりました。
約20年前にMTBのフルサスペンションバイクが量産され、一般的に販売されるようになりました。「サスペンションが装着されているのなら、リジットで重視されていたタワミを排除したデザインを」こうした考えを持ったデザイナーもいたのですが、まだそこまでの性能をサスペンションユニットは持ち合わせていませんでした。空気圧の調整でスプリングレートを設定でき、軽量で乗り心地の良いエアサスペンションユニットが、ここ数年で初期から更にスムースに機能するようになりました。
最近のフルサスペンションMTB、シートチューブ長が短くなりました。前三角をより小さくすることによってフレームの剛性を上げ、フレームの撓みを排除し、サスペンションユニットの性能を最大限に引き出すことを目的にしています。
リアバックに関しては各メーカー、それぞれの哲学などに基づいて設計されています。
ハードテイルの場合、
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・長めのストロークのサスペンションフォークを入れたい。
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となれば、必然的にヘッドアングルを寝かす方向になります。
また後三角はサスペンションがないため、少しでも縦方向に大きめにしたいという設計になります。
こうした中で全ての要求を満足させようとすれば、必然的に理想的なハードテイルの設計はXCOバイクに近づいていくことになります。29インチのリアならば、直径が26インチよりも大きくなりますから、リアセンターに短ければ良いというような昔の数値を使うことはできません。チェーンテンションに耐えることのできるチェーンスティ、横方向に撓まないシートステイ。結論からお話しすると、フリーライド系ハードテイルに関してはフレームに撓みを期待していません。そうタイヤサイズ(幅)を上げることでタイヤの変形を乗り心地やグリップ向上につなげるのです。
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