自走して遊ぶ

あまり褒められた話ではありませんが、自走して一人で山に入ることを楽しんでいた時期がありました。走り出して暫くは仕事や日常の事を考えながら、ケイデンスを80でキープしながら唯々ペダルを踏み続けます。言わば単調な作業を繰り返し。だんだんと無の境地に近い状態になります。視覚や聴覚の情報は入ってきて適宜な判断をして対応しているのですが、余計なことを一切考えなくてもいい状態が快適なのです。
目的地に到着すると自分なりのちょっとした目標を意識します。よく使っていた目標の一つが、「山頂まで足を着かない。」達成したところで誰かに褒められるわけでも、大袈裟に表現すれば、人生がかわるわけでもない他愛もない目標なのです。山頂について一息つけば、最大の楽しみである下りを堪能します。見通しのいいところでは最低限の安全を守りながら、以下自主規制。ブラインドが続くところでは、直ぐに止まる事の出来る速さで。メリハリをつけて走っていれば、ゆっくり走ることも苦痛ではありません。人の気配を感じたのなら直ちに下車して自転車を曳いていきます。ハイカーの方とすれ違うときには必ず挨拶を。物騒な世の中ですから「自分には害意はありません」という意思表示を明確にする必要があります。共に余暇を楽しむ仲間なのですから、相手の方の余計な緊張感を取り除くことも自分たちが楽しむ環境を保持していく上で重要なアクションになります。挨拶を口にしても誰にも迷惑をかけることもありませんし、損することなんてありません。
十分に気を付けていても転んでしまうこともあります。ケガがなく、他に誰もいない安全が確保された状態であるのなら、しばらく動かず転倒した原因を考えてみて下さい。大人になってしまうと、土の上で寝っ転がるなんて経験は何年ぶりかのことになるはずです。
自走ですから骨折するなんて愚の骨頂。自力で無事に帰宅しなければ、ご家族から行動を制限されるようになります。様々な制約のある中で自分をコントロールしながら楽しむことは、かなりストイックで充実感のある遊びですよ。つい無理をしてしまう方は必ず友人と一緒に山に入るようにしてください。
スマホは必携。先日、登山をなさっている方から、道に迷ってしまった際、グーグルマップで事なきを得たというお話をお伺いしました。その機能を利用できることに気づくまで時間を要したようですが。昨今は身に着けたままで派手な転倒をすると、機種によっては119番に位置情報ととともに連絡が行きますから、お気をつけて。

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