減衰でコースに対応します。

流している状態で振動が気になるレベルならセッティングを見直してください。
事実として知っておいて頂きたいのは、タイムを向上させるという点において日本のコースとワールドカップクラスのコースでは減衰の設定が異なっているということです。
ワールドカップのコースは設定が厳しいという点はご納得頂けますよね。
サスペンションを動かすことで対応しますから日本のコースで暴れてしまうようなセッティングでは海外で走ることはできません。逆に海外の設定で日本のコースを走るとロスが多くなります。
海外での設定をベースに日本のコースに対応させようとした場合、HSC(ハイスピードコンプレッション)を締め込みます。HSCを締め込めば、副次的にLSC(ロースピードコンプレッション)の効果が発揮される領域が強化されるため、安全マージンを多くとりながらもロスを抑えることが可能になります。
気を付けなければならない点は、どちらの設定もレースの際にはバイクが暴れるという点なのです。ロスがない状態で限界まで攻め込みますので。肝心なのは日本のコースは間違った設定でもコースがマイルドため、ある程度走れてしまうという点です。
海外のレース活動を基準に設定した場合、コースが厳しい分だけ、セッティングのスイートスポットが正しい方向に絞られていきます。そのため自分のホームコースでの設定を基準にし、レースの開催されるコースの難易度に合わせて微調整を行うだけで対応することが可能です。
日本でも正しい方向で設定ができていれば、海外へ行っても微調整で済みます。標高が異なっていても適切なサグの量が得られる空気圧を記録しておけば再現することは簡単。サグやスペーサーの数は変わらないことを知っておいてください。空気圧の変更やスペーサーの数の増減はスプリング特性の設定。動く速さの微調整は減衰側の仕事なのです。