柔らかなライディングの補足です。

あなたが車を運転しているとします。
信号のない小さな交差点、左から合流しようとしている車がいます。相手の顔が見える距離。その車に進入を許諾する合図を送ろうとします。
どのように伝えますか?パッシング?クラクション?いずれの手段も道路交通法に抵触します。ジェスチャーで伝えるのなら、右ハンドルの車なら、左手を顔の高さまで上げ、手のひらを上に向け前に出します。「どうぞ」というアクションですね。
日常ありがちな光景なのですが、そうした機会は突然訪れます。既にそのような仕草を身に着けていらっしゃる方はスマートな方。素晴らしい紳士です。
慌ててしまい、「手の甲を上にして曲げた指先を前に伸ばして曲げる」を繰り返すのは最悪ですよね。追い払う動作、𠮟𠮟(しっしっ)ってやつです。折角、道を譲ったのにも関わらず、相手に不快な思いをさせてしまうことになってしまいます。
今回、この拙文で意識することができたのなら、ギクシャクした仕草であっても「どうぞ」を試してみて下さい。慣れていけば自然にできるようになり、紳士の仲間入りができます。
咄嗟に「正しい動きができるかどうか?」
いざという時に正しい動きが習慣でできるようにするため避難訓練があります。予めトレーニングをしておかないと、自分の体であっても正しく動かすことができないのです。
障害物に対して、どう体を動かすのか。後輪の軸よりも後ろに腰をもっていくことによって、ペダル経由で加重されている力を抜く。その際、頭の位置や腰の高さを最適な位置に持って行く。この最適な位置はスピードや斜度、障害物からの入力などによって変化します。ただ肘の動き、膝の動き、腰の動きの連携は絶えずついてまわることになります。これを滑らかに連動させることができれば、センスではなく、学習によって柔らかいライディングを習得することができます。
ヒント:人間の頭はかなり重量があります。頭をタイヤの接地面に近づければ近づける程、重心が低くなり安定します。遠ざければ遠ざける程、頭を左右に動かした時の影響を受けやすくなります。
センスに恵まれなかったのなら、いっそのことやめてしまって新しい可能性を探すことも選択肢の一つなのですが、それを補う分析をして科学に基づいた動きをすることで対処していく方が建設的です。こうした考え方を身につけることができれば、生きていく上での応用が利くようになります。