FIT4の音
中学生の理科で習ったと思いますが、比較するためには比較される部分を除き、他の全てを同じにする必要があります。(対照実験)
同じFOXだからといって年式やモデルが異なる製品を比較することは、後述致しますが意味がないことになります。
例えばフロントフォーク。比較する製品は2018年 FOCUS O1E PRO 29に取り付けられたFox 32 Float SC Performance 100mmと2022-2024年 32FLOAT SC Factory 100 mm。比較する内容は「後者を通常に使用していると問題はないが、前輪を上げると音がする。以前から使用しているFOXよりも音が大きい。」という点です。前輪を上げれば、フロントフォークへの加重は0になり、前輪の重さと圧縮されたスプリングによってインナーチューブは一気に伸びることになります。
では検証をしてみましょう。
カートリッジの種類が異なります。同じFIT4ではありますが、一番大きな違いはダンパーシャフト径が異なります。2018年は10mm、2019年以降は8mm。FIT4はブラダを使用したクローズドカートリッジですから、100mm縮むとカートリッジ内に入り込んだダンパーシャフトの容積分のオイルがゴム製のブラダを膨らませます。
10mmシャフトが100mm縮んだ場合の容積は
0.5(半径cm)×0.5(半径cm)×3.14×10(ストローク量㎝)=約7.85(cc)
8mmシャフトが100mm縮んだ場合の容積は
0.4(半径cm)×0.4(半径cm)×3.14×10(ストローク量㎝)=約5.02(cc)
10mmシャフトの方がブラダを膨らませることができます。
膨らんだブラダが元に戻る際の力を利用してオイルを押し戻します。ダンパーシャフトが戻る際の初速を上げるためのアシストをするわけです。アシストする力は容量の多い10mmの方が大きくなります。ただし2.83cc多いオイルを同じ速さで戻さなければなりませんから、通路として使用される隙間を大きくする必要があります。音の発生源である隙間が大きくなれば、流速が上がりませんから音は静かになります。
8mmシャフトの場合、オイルが通過する隙間が小さくなります。隙間を小さくすることによって、より正確な減衰を発生させることが可能になりますが、流速が速くなるため、音が大きくなります。更にFactoryモデルのため、オープンモードの低速側コンプレッションの回路が加わるため、オイルの通路が長くなっています。オイル量は少なくなっているのですが狭くて長い通路を使ってオイルを戻します。圧縮されたエアスプリングが戻る力と前輪の重さによってダンパーシャフトが引っ張られるため、狭い通路を流速が上がったオイルが通過しますから、音が大きくなるわけです。これは故障ではなく仕様です。
エア噛みや故障の有無を確認するためには、ダンパーをファームモードに設定し、ストロークさせるように軽くハンドルを押してください。手ごたえが無く、数ミリ抜けたようにストロークするならエア噛みです。リバウンドもコンプレッションも機能していれば、故障ではありません。お使い頂いて万が一故障したとしても購入一年以内ならば、製品保証で修理することができますので安心してお使いください。
同じFOXだからといって年式やモデルが異なる製品を比較することは、後述致しますが意味がないことになります。
例えばフロントフォーク。比較する製品は2018年 FOCUS O1E PRO 29に取り付けられたFox 32 Float SC Performance 100mmと2022-2024年 32FLOAT SC Factory 100 mm。比較する内容は「後者を通常に使用していると問題はないが、前輪を上げると音がする。以前から使用しているFOXよりも音が大きい。」という点です。前輪を上げれば、フロントフォークへの加重は0になり、前輪の重さと圧縮されたスプリングによってインナーチューブは一気に伸びることになります。
では検証をしてみましょう。
カートリッジの種類が異なります。同じFIT4ではありますが、一番大きな違いはダンパーシャフト径が異なります。2018年は10mm、2019年以降は8mm。FIT4はブラダを使用したクローズドカートリッジですから、100mm縮むとカートリッジ内に入り込んだダンパーシャフトの容積分のオイルがゴム製のブラダを膨らませます。
10mmシャフトが100mm縮んだ場合の容積は
0.5(半径cm)×0.5(半径cm)×3.14×10(ストローク量㎝)=約7.85(cc)
8mmシャフトが100mm縮んだ場合の容積は
0.4(半径cm)×0.4(半径cm)×3.14×10(ストローク量㎝)=約5.02(cc)
10mmシャフトの方がブラダを膨らませることができます。
膨らんだブラダが元に戻る際の力を利用してオイルを押し戻します。ダンパーシャフトが戻る際の初速を上げるためのアシストをするわけです。アシストする力は容量の多い10mmの方が大きくなります。ただし2.83cc多いオイルを同じ速さで戻さなければなりませんから、通路として使用される隙間を大きくする必要があります。音の発生源である隙間が大きくなれば、流速が上がりませんから音は静かになります。
8mmシャフトの場合、オイルが通過する隙間が小さくなります。隙間を小さくすることによって、より正確な減衰を発生させることが可能になりますが、流速が速くなるため、音が大きくなります。更にFactoryモデルのため、オープンモードの低速側コンプレッションの回路が加わるため、オイルの通路が長くなっています。オイル量は少なくなっているのですが狭くて長い通路を使ってオイルを戻します。圧縮されたエアスプリングが戻る力と前輪の重さによってダンパーシャフトが引っ張られるため、狭い通路を流速が上がったオイルが通過しますから、音が大きくなるわけです。これは故障ではなく仕様です。
エア噛みや故障の有無を確認するためには、ダンパーをファームモードに設定し、ストロークさせるように軽くハンドルを押してください。手ごたえが無く、数ミリ抜けたようにストロークするならエア噛みです。リバウンドもコンプレッションも機能していれば、故障ではありません。お使い頂いて万が一故障したとしても購入一年以内ならば、製品保証で修理することができますので安心してお使いください。