今日も質問にお答えします。

フロント、リアに関わらず全てのエアスプリングを使用したサスペンションに当てはまるお話です。

2020モデルの40を使っているのですが、夏に乗った時と今回寒くなって乗った(パノラマ)時とで接地感が違った。

日本では夏と冬の気温の差が25度程度。湿度の差は約30%あります。
だいたい空気密度が約9%異なります。

脱線しますが、密度についてわかりやすくお話しておきますね。パノラマへ行ってコンビニに立ち寄るとポテチの袋がパンパンになっています。充填されている気体は不活性ガスで油の酸化を防止するため使用されています。高度によって密閉された気体が膨張している状態。一定の体積で平地と高地で比較をすると高地では密度の低下が発生しています。
実際に高いところへ行けば、同じ量を呼吸しても一度に接種できる酸素の量が減るために息苦しくなります。高度と同じように温度でも密度が変化します。えっ?という記事をネットで見たため、自分で納得するために補足しました。(笑)

気温によって密度が変化すれば、ストローク感は変化します。夏よりも冬の方がわずかですがストロークし難くなっているはずです。

要因はスプリングサイドだけではありません。ダンパー側では違う現象が発生しています。これも物凄く乱暴ですがわかりやすい例えをします。油脂の塊であるバターをイメージしてください。温めれば溶けて流動性が上がりますよね?ダンパーオイルも同じように気温によって硬さが変化します。暑ければ流動性が上がりストロークしやすくなり、寒ければ、硬くなって動き難くなります。ダンパーサイドに関しては対応が可能です。冬場に夏場と同じ感覚で走りたければ、減衰はコンプレッションもリバウンドも弱めにしてください。

空気容量が大きな40ですから、季節(気温)の影響による変化も大きくなります。

先週末のライドの際にフロントフォークのオイル滲みが気になった方もいらっしゃるのでは?
この間まで夏日でしたから、急激に温度が低下すると、夏の間頑張っていたダストワイパーが硬化し、インナーチューブへの追従やオイルのシール性が低下したためでは?

言われれば「当たり前じゃん」ってなりますが、意識していないと「知識同士を結びつける」作業が行われませんから、気が付かないんですよね。