安定性が隠しちゃうんです。

29インチのMTB、ガンガン乗っていらっしゃる方。
忘れてしまっているかと思いますが、安定性が高いため、アクションが大きくなっています。
多少のオーバーアクションはジャイロ効果と増大した接地面積がカバーしてくれます。
将来、林道で友人の26インチのバイクを借りる機会があるかもしれません。気を付けないとふっ飛びますよ。

電動キックボードのホイールをイメージしてください。車軸から接地面までの距離(要はホイールの半径)よりも大きな段差は何らかのアクションを起こさない限り、必ず急制動がかかります。止まります。物理的にホイールが回転できませんので。
これを避けるためには何等かのアクションが必要になりますが、ホイールベースが短いため、極めて正確な体重移動が必要になります。ホイールを真っ直ぐに持ち上げないと、あのヘッドアングルですから着地時にわずかに切れた方向へハンドルが一気に切れ込みます。これが小さなギャップで転倒する電動キックボードのライダーが前方へ吹っ飛んでいくメカニズムです。

2.2あたりのタイヤを装着したホイールサイズ別の外径は26インチ660mm、27.5インチ699mm、 29インチ737mm。
それぞれの半径(直径の50%)は330mm、349.5mm、368.5mm。このサイズの障害物に真っ直ぐタイヤ当てても転びますよね。実際にノーアクションで超えることができる障害物の大きさはかなり小さくなります。どのサイズもノーアクションで超えられることができるであろう50mmの段差。割合で行くと約15.2%、約14.3%、約13.6%。50%から離れているほど、障害物からの影響が少なくなります。

29インチはヘッドアングルが寝ていてホイールベースが長い。電動キックボードとは正反対。大きなアクションをしてもミスをカバーしてくれ、急激にハンドルが切れ込むことのない安定性を持っているわけです。
この安定性が実はやっかいなのです。サスペンションセッティングの間違いでさえも、隠してしまうのです。今日は『まくら』(落語の導入部)で終わっちゃいました。