減衰が生まれる前の話

路面からの衝撃を緩和するため、板バネで車軸を保持するような仕組みが馬車に取り付けられました。これがサスペンションシステムの原初的な形態となりました。
板バネの上側はシャーシに取り付けられており、下側は車軸を保持するようになっていました。ラフですがイラストを見てイメージしてください。弧になった鉄板が衝撃を受けることによって真っ直ぐになって衝撃を逃がす構造です。走行速度が速くないため、バネの運動の収束に関しては、ある程度は無視することができたようです。この頃にはまだ接地感や慣性による荷重移動は意識されることはありませんでした。ただこのモデルが一番減衰について理解しやすいために引用いたしました。板バネが伸びて縮む。速度は低ければ、運動エネルギー自体が小さいため消化されていきます。スピードが速くなると、無視できなくなる。伸び側と縮む側、バネとは別にそれぞれ反対の力が発生する仕組みを作れば、衝撃を相殺できるのでは?という考え方が減衰の仕組みを生み出しました。
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