短パンの裾、お気を付け下さい。

「オイル漏れ。ポジションレバーが一回転してしまう。」との内容のご依頼。
当初は、掃除をしていてコンプレッション機能部を引き出してしまったパターンのお話かと思ったのですが違っていました。
バイクによっては短パンの裾がレバーに引っかかってしまうことがあります。
レバーを勢いよく引っ張ってしまうと、ストッパーになっているイモネジが曲がってしまい、ストッパーの機能を果たせなくなり回転してしまうようになります。同時にレバーが取り付けられているカムも曲がり、ズレてしまい、カムが押さえていたロックアウトシャフトをシールしているOリングが機能を果たせなくなり、オイルが噴き出してきます。
今回はこのケースであったようです。
今回、イモネジを緩めようとしたところ、軽く回すことができたため一安心したのですが、イモネジが途中で折れていました。イモネジ自体が曲がって折れてしまったようです。
従来の短いイモネジならば、折れた部分に下穴をあけ、曲がった状態であっても逆タップで回すことができたのですが、現行モデルのFLOATは大型化されたダイアル類や長くなったイモネジのストッパー部分が邪魔をしてしまい、折れたイモネジを抜くことができなくなりました。ネジが少し残った状態で曲がって折れているため、イモネジを緩めようとすると曲がった先端部のストッパーがリバウンドダイアルに食い込んでしまうため、分解することができなくなりました。こうなってしまうとフレームにマウントされる部分であるアイレットごとの交換が必要となります。短パンの裾、お気を付け下さい。

左側が旧モデル。イモネジも短くコンパクト。
右側が今回のアイレット。
操作しやすくするためにリバウンドダイアルや周辺部品も大型されています。
一番右の二つのボルト。左側が良品。その右側が折れてしまったイモネジ。内部に折れた部分が残っています。