コンプレッション側の設定

土曜、日曜でも荷物が到着しますし、気遣って頂いたお店は月曜着日指定でお送り頂いていますから、毎日フル稼働状態でオーバーホール作業を行っている状態です。

ネガティブ側に空気が流れ込んでしまっているフォークが多く、サポートライダーのフォークでは、こうした現象を見かけないという事実から、正しい方向で減衰設定が行われていないことが原因と思われます。

リズムなどのGRIPダンパーはフルオープンで使用されるのではなく、青いGRIPレバーを時計回りに回して頂き、余分な動きがないポジションでご使用ください。想定よりも速過ぎるストロークスピードではQリングのシール性能が追いつくことができません。また強過ぎるリバウンド設定もエアスプリングの内圧が想定されている時間よりも長めに圧縮された空気を保持しなければならないため、ネガティブ側に空気が流れ込みやすくなります。シール性能を上げることは可能なのですが、スムースなストロークができなくなり、異音が発生する原因にもなります。軽い負荷で動かすサスペンションですから車などよりもシビアな設定が要求されます。

2021年以降のGRIP2、GRIP X、GRIP X2にはVVCという機構が取り付けられています。
これは高速側のコンプレッションを積極的に使うためのもの。これを有効に使用して頂くためには、レースであってもヘッドが寝ているバイクはサグを20%に設定し、通常のヘッドアングルのバイクは15%に設定。その後にHIGH側を5クリック戻し、LOW側を10クリック戻しに設定。リバウンドはサグを得られた空気圧に合わせて設定してください。
リバウンド設定がマニュアルに記載されている通りで、速い入力でボトムするのならHIGH側のコンプを強くしてください。
エアボリュームスペーサーを足すのは、この後で。
HIGH側を効かせると硬すぎるとお感じなられているのなら、エアボリュームスペーサーを一つ抜いてください。エアボリュ―ムスペーサーを足して、HIGH側のコンプレッションを効かせることができないのなら間違った方向の設定とお考え下さい。

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