フロント120mmとリア110mmのバイクを日本のコースに適合させるヒント

海外ではXCコースの難易度が上がっているため、各メーカーともフロント120mm、リア110mmストロークの仕様が主流になってきています。
日本のコースにはオーバースペックと思われる方も多いと思いますが、バイクの更新時期に差し掛かっている方にとっては深刻な問題です。

今日はフロント120mmとリア110mmのバイクを日本のコースに適合させるヒントをお話します。34SLの比較.jpg
34 FLOAT SLの工場出荷時のエアボリューム・スペーサーの数は120mmで2つ、110mmで3つ。まずは120mmのフォークを仮想110mmにするため、エアボリューム・スペーサーを1つ足します。そしてサグを17mm~22mmの間に設定します。
フロントは単純なので比較的簡単に仮想110mmを実現することができます。

リアユニットのストローク量を45mmとします。トラベル(車軸の移動量)が110mm。
フロントのストロークが110mmのモデルの場合、リアのトラベルは100mmが主流でした。数年前の同じモデルを比較してもレバー比が異なるケースがあるため、単純に比較することはできません。使用しているバイクのトラベルが短くなったと仮定して計算します。110:45が100:45に変化させるわけです。

120mmのストロークを持つフォーク、リアのトラベルが110mmの場合です。
ユニットストロークは45mm。その25%は11.25mm。
2.44:1なので11.25×2.44=27.45mm、リアホイールが沈み込んでいることになります。

同様に計算するとリアのトラベルが100mmの場合、リアは25mmの沈み込み量になります。リアの沈み込みを25mmに設定するためには、25mm÷2.44(110mmのレバー比)=約10.25mm。リアユニットのサグを10.25mmにセットすれば、前後バランスの取れた仮想リアトラベル100mmが実現できます。

過渡特性がリニアに変化する場合はほぼ大丈夫なのですが、リンクが関わってくると初期の沈み込み量が多くなります。そのため、あくまでも設定をスタートする目安の値とお考え下さい。

機材の性能を100%引き出す方向性ではありませんが、コースの状況によっては正しい設定よりもタイムが出せるかもしれません。

エリミネーターで表彰台に上がったグラビティ系ライダーのサスペンションのセットアップの手伝いをしたことがあります。その際に話してくれた彼の言葉も併せて、お伝えしておきます。
「サスペンションの設定が出ていれば、ロックアウトの必要性は感じない」
ペダリングした力をいかに効率良く路面に伝えることができるのか、トラクション重視のコンマ差で勝負が決するカテゴリーのライダーらしい発言であると思います。

どちらを選択するのかは、あなた次第。
趣味の世界のお話ですから何でもあり。
ただ知っていて実行に移すことと、知らずに必要以上に加圧するのとは大きな違いがあります。

*ここではホイールトラベル量÷ユニットのストローク量をレバー比と称しています。