先日のコンプレッションの話に続きとなるリバウンドのお話です。
長いストロークを有するフォークの場合、動きやすいセッティングにするためにはLSR(Low Speed Rebound)の設定も重要になります。
構造からお話しすると、ダンパーシャフトの先端にはピストンが取り付けられており、そのピストンにはコンプレッションのベースと…
"セッティング"の記事一覧
昨日は複数のライダーさんからのセッティング相談を受けていました。
具体的な設定の数値をお伝え、実際に走行し最適化を行いました。
勘違いなさっている方が多いようなので、改めてお伝えしておきます。10人ライダーがいたとします。最適解に近い設定は10種類存在します。その人の用途、バイクのサイズ、スキルレベルによってサスペンションの設定…
流している状態で振動が気になるレベルならセッティングを見直してください。
事実として知っておいて頂きたいのは、タイムを向上させるという点において日本のコースとワールドカップクラスのコースでは減衰の設定が異なっているということです。
ワールドカップのコースは設定が厳しいという点はご納得頂けますよね。
サスペンションを動かすことで対応…
ページからの転載のため、こちらでは動画を上げることができません。
https://www.facebook.com/mamapapamtb
でご確認ください。
40、スペーサー入っていません。
リモートでセッティングの問題点を解決する作業を行っていたのですが、皆さんが陥りやすいポイントがわかったような気がしますので共有したいと思います。
「めっちゃハードなコース、フロントサスが沈みすぎてストロークの後半ばっかり使っていて、姿勢も前のめり気味になる」
どう解決しますか?
「空気圧を上げる」「ボリュームスペーサーを足…
フルサスペンションバイク、同じコースにおける、あなたの走行タイムの限界はセッティングに左右されます。
絶対的なタイムの速さはペダリングで前に進む乗り物のため、体力やスキルに左右されることは間違いありませんが、ここを混同してしまうとレベルアップが困難になります。精神論では世界に通用しません。
他のスポーツでは10代の選手の活躍…
ハンドルの位置が高ければ、前に加重することが困難になります。車体側で設定を変えることができるのは、ハンドルの形状(ハンドル幅・スイープ・ライズなど)・ステムの形状(長さ・角度など)・フォークのストローク量・サドルの位置や高さ・ヘッドチューブ長(下側をさらうとヘッドアングルに影響がでます。)DHバイクの場合、ここに突き出し量が加わります。…
サグの話ばかりで恐縮なのですが、ここをきちんとしないことにはボタンの掛け違い状態になってしまうため、ご容赦願います。
サグを計測する時は「乗車姿勢で」というワイルドカード的な表現になっています。
サドルにどっかりと座り、決して腰を浮かすことなどはないという、楽なスタイルでMTBを楽しみたいのなら、その姿勢でも構いません。サスペンショ…
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要は柔らかくても速いのですよというお話です。
40を装着するDHバイクは、とても特殊な自転車。ほぼ下りのセクションだけしか走らないバイクです。
最近はヘッドアングルを寝かしてロングホイールベース化し、後ろに乗る設計が主流です。
以前からお話していますが、前後サスペンションはシーソーのような関係。後に乗りますからリアサスは沈みやすくなります。荷重の抜けることになるフロントサスは動…
今はAIなど技術革新によって世の中の仕組みが変わりつつある時代。どんな仕事も大変。アップデートが遅れてしまうとついていけなくなります。
サスペンションの構造や仕組みなども大きく変化してきています。現在のサスペンションは摺動抵抗を減らし、初期の反応を改善、効率よく動かすことに主眼が置かれています。
例えば、エアサスでサグを設定し、…
昨日の話の関連になりますが、同じようにLSCとHSCが最弱に近い状態でエアボリュームスペーサーが追加されているフォークもよく見かけます。
手順としては最初のサグを設定します。その際の減衰設定はコンプレッションもリバウンドも開放の状態で行ってください。その理由は時短。減衰はあくまでもストロークするスピードを調整する機能です。全閉状態でな…
今日のお話は悩ましいと思いますが、何度も読んで頂くことによって、整理することができると思います。
間違いなくGRIP2を使いこなす上での重要な指針となるはずです。
GRIP2のHSC(ハイスピードコンプレッション)とHSR(ハイスピードリバウンド)を体感によって調整しようとするのには相当なスキルが必要になります。LSC(ロースピ…
軽量フォークということで32SCを選択した方が陥りやすい罠。
コンプレッションを過剰にかけてしまうこと。
必要最低限以上の剛性はありますが、華奢であるが故に、コンプレッションが過剰な設定になっていてもコラム部分などが撓むことによって衝撃を緩和してしまうのです。木の根などを通過する際などにこの現象は発生しています。34SCになると、た…
FOXとMARZOCCHIのコンプレッションアジャストなのですが、ロックアウトのポジションはありません。3ポジションの場合はソフト・ミディアム・ファーム。
Z2の場合、ソフトとファームのポジションがあります。ファームであってもストロークします。最初はあたりがついていないため摺動抵抗が大きく、アライメントも十分でないため、疑似的なロック…
「コンプレッション、リバウンド共に減衰を下げたい。
エアスペーサーはポジ側2個、ネガ側1個入っています。」
2021 FLOAT X2オーバーホールの作業依頼書に書かれていた内容です。
バイクは直押しの日本製バイク。
「減衰を下げたい」これは作業指示になります。作業をする上で必要な情報は何に困っているかなのです。この場合、減衰を…
何かの略称?
アメリカ英語の「垂れ下がる」という単語が語源。
大型連休、高速道路で移動されている方も多いと思います。
連休の高速道路には渋滞がつきもの。コロニー(集団走行状態になっている車の群れ)の中の一台の車が必要のないブレーキを踏むだけでも渋滞は発生します。前の車がブレーキを踏む、後続の車もブレーキを…。ブレーキを踏んだ車…
同じような質問と依頼があったため、こちらで説明させて頂きます。
「リアは良く動いているようなのだが、フロントは半分くらい。」
これはお電話でお受けしました。
「下りの大きなギャップ(50㎝位のジャンプ第のような所)を越えた時、前後同時のイメージで着地をすると、後の動きが大きく感じている。前後が同調している感覚にしたい。」
こ…
リジットなら、そのメーカーが理想とする運動性能やハンドリングを手に入れるため、フォーク長やオフセットなどに拘る必要があります。
MTBのフルサスの場合、ストローク長やフォークの長さの指定があっても、「それに必要以上に拘束されるのは、どうなの?」を証明するための表です。
一番右側はストロークからサグ値を引き算した数値です。
あくまで…
ここをご覧になられていない方には伝わらないのですが諦めるわけにはいきません。
オーバーホールの際、「FLOAT X2、推奨値に通りに設定しているのだが、後が沈み過ぎる」というご相談がありました。
空気圧を上げてしまうと、推奨されているサグ値が得られなくなります。
コイルスプリングとは異なり、エアスプリングはストロークする際の特…
サグを設定する際、『乗車する姿勢で』とお願いをしています。
ほとんどの方は中腰で膝と肘を使うことができるようにして背中を丸め、重心を後ろ気味になさっていると思います。間違っていません。正しい理想的な姿勢です。
中にはしんどいからサドルに座ったままで下りたいという方や理想的な姿勢を長時間保持するのは無理という方もいらっしゃるかと。結論…
シーナ・アイエンガー(コロンビア大学ビジネススクール教授)の『ジャムの法則』。
何か聞いたことがあると思った方、TEDで聞いたことがあるという方も多いと思います。
スタンフォード大学の大学院生時代にスーパーマーケットで行った実験がもとになっています。少しだけ複雑な実験ですので超乱暴にかいつまんで説明します。(興味を持たれた方、ググれ…
よく見かけるのが一つ追加でコンプレッションの設定が規定値より弱めになっている個体。
これは速く走る方向ではありません。また快適でもない設定。
機械的に初期にストロークし易いリアセクションを持つフレーム設計のバイクならば、工場出荷時の設定から一つだけ抜くのはアリだと思います。ただ、あくまでもバランスが重要です。正しいバランスとは、…
毎年、年末がピークなのですが、今年は年が明けてからのご依頼が多くなっています。
オーバーホール依頼分の製品を分解しているとエアボリュ―ムと空気圧設定で悩まれている様子が見受けられるため、切り口を変えてアドバイスを。
空気は容量が大きくなると圧縮しやすくなります。逆に容量が小さくなると圧縮し難くなります。また最初は圧縮し易くても、圧縮…
今日は中級以上の方が多く使用なさっている3pos-Adjの設定及び構造のお話です。
Open-Medium-Firmの切り替えを瞬時に行うことができるレース用のダンパー。
黒いダイアルはOpenモードのロースピード・コンプレッションを調整できる機能です。
一次側としてオイルの流量制限をすることでストロークスピードを調整していま…
今日は使用なさっている方が一番多いGRIPダンパーが取り付けられているフロントフォークのコンプレッション設定についてお話いたします。
その前にお知らせを。
年内の作業スケジュールが一杯になりましたので、オーバーホール作業のお受付を一時中断いたします。お受付再開は1月4日から。弊社に向けての発送も年明けの1月4日(火)以降でお願い…
ここ数年のフレーム設計にはサスペンションの進化が大きな影響を与えています。
初期からスムースに動くようになり、小型軽量であるにも関わらず減衰特性が自由に設定できることが周知されてきたためです。基本的には後ろ乗り。前のスプリングを柔らかめ、減衰を強めにしながら後輪にどっしりと加重するスタイル。前を自由に動かして路面に追従させる。サスペン…
サスペンションを装着することを前提に設計されているバイクにもかかわらず、パンパンに空気を入れ、サグをきちんと設定せず乗っている方、もったいないですよ。
腰を軽く引いた下りの乗車姿勢、年間ランキング2位のレベッカの写真をご覧ください。
この姿勢で前後のタイヤへの荷重配分が適正に行われることも考慮されてバイクは設計されています。サスペン…
前後サスペンションはシーソーのような関係になっているということを意識してください。
・前を柔らかくすると後ろはストロークし難くなります。
前下がりになり重心は前に移動しますから、後輪から前輪に荷重の一部が移動します。
・前を硬くすると後ろはストロークし易くなります。
重心は後ろに移動しますから、前輪から後輪に荷重の一部が移動しま…
ハイ・スピード・リバウンド(HSR)とロー・スピード・リバウンド(LSR)、ハイ・スピード・コンプレッション(HSC)とロー・スピード・コンプレッション(LSC)の役割分担されている製品をお持ちの方、実際にその仕組みを体感してみましょう。
マニュアルに頼らず感覚でセッティングするため、ハンドルを勢いよく下方に押してフロント…